
「最近よく聞く『GA4』って、そもそも何のこと?」
「旧バージョンから何が変わったのか、何ができるようになったのかよくわからない…」
Webサイト分析に不可欠なツール、Googleアナリティクス4、通称「GA4」。しかし、旧バージョンから画面が大きく変わり、なんだか難しそう…と感じて、そっとブラウザを閉じてしまった経験はありませんか?
ご安心ください。この記事では、「GA4とは何か?」という基本のキから、マーケティング担当者がまず押さえるべき3つの必須レポートまで、分かりやすく解説します。この記事を読めばGA4への苦手意識がなくなり、データ分析の第一歩を踏み出せるはずです。
1. GA4とは?まずは基本の「キ」を知ろう

GA4とは、Googleが提供する、Webサイトやアプリのアクセス状況を分析するための最新版のアクセス解析ツールです。2023年に旧バージョン(ユニバーサルアナリティクス、UA)が終了したため、現在Googleアナリティクスといえば、このGA4を指します。
では、なぜGA4は難しく感じるのでしょうか? その一番の理由は、旧GA(UA)との「計測の考え方」が根本的に違うからです。
旧GA (UA) | GA4 (現行) | |
計測の軸 | セッション(訪問単位) | イベント(行動単位) |
例えるなら | 入口カウンター(何人来たか) | 店内の超高性能カメラ(誰がどの商品を見たか) |
得意なこと | ページ単位の分析 | ユーザー単位の深い行動分析 |
つまり、UAが「お店に何人来たか」という大枠で捉えていたのに対し、GA4は「店内でAさんがこの商品を手に取り、Bさんはあの棚を3分見た」という、ユーザー一人ひとりの細かい行動まで追跡できる超高性能カメラにバージョンアップしたのです。この違いを理解するだけで、GA4の見え方が少し変わってくるはずです。
2. 結局GA4で何ができるの?押さえるべき3つのポイント

この「ユーザーの行動単位」での計測に変わったことで、GA4では一体何ができるようになったのでしょうか?初心者がまず押さえるべき3つの大きなポイントをご紹介します。
① ユーザーの「行動」が手に取るようにわかる
ページの閲覧だけでなく、「動画を30秒再生した」「特定のボタンをクリックした」「商品をカートに入れた」といった、サイト内でのユーザーのあらゆる行動(=イベント)を簡単に計測できます。これにより、ユーザーがサイト内でどのような体験をしているのか、より解像度高く把握できるようになりました。
② Webサイトとアプリをまとめて分析できる
多くのBtoC企業がWebサイトと公式アプリの両方を運営しています。GA4では、これら二つを横断したユーザーの行動も、同一人物として分析できます。例えば、「アプリで商品をチェックし、後でPCのサイトで購入する」といった現代的な購買行動も、途切れず追いかけることが可能です。
③ AIによる「予測機能」で未来のヒントがもらえる
GA4には、蓄積されたデータをもとに「今後7日以内に購入する可能性が高いユーザー」や「離脱する可能性が高いユーザー」をAIが自動で予測してくれる機能が搭載されています。この予測に基づき、先回りしたアプローチを仕掛ける、といった未来的なマーケティングも可能になります。
3.【実践編】GA4の見るべきレポートは、まずこの3つだけ!

さて、GA4の基本がわかったところで、いよいよ実践編です。多機能なGA4ですが、初心者のうちはすべてを使いこなす必要はありません。まずは、サイト改善に直結する以下の3つのレポートの見方だけをマスターしましょう。
【① 集客】お客様はどこから来ている?
- 目的: どの広告やSNSからのアクセスが、最も成果に繋がっているかを知る。
- 見るべきレポート:
管理画面左メニュー > レポート > 集客 > トラフィック獲得
- 見るべきポイント:
セッションのデフォルトチャネルグループ
:流入元(Organic Search=自然検索、Paid Search=広告、Social=SNSなど)エンゲージメント率
:ユーザーがどれだけ熱心にサイトを見たかコンバージョン
:最終的な成果(購入、会員登録など)
- アクションに繋げる分析例:
- 発見:「Instagramからの流入は多いのに、コンバージョンが低いな…」
- 仮説: 広告のデザインと、リンク先のLP(ランディングページ)の訴求内容がズレているのかも?
- 次のアクション: LPのメインビジュアルやキャッチコピーを、広告クリエイティブに合わせて修正しよう!
【② エンゲージメント】お客様はサイト内で何をしている?
- 目的: どのページが人気で、どこにサイト改善の課題があるのかを発見する。
- 見るべきレポート:
レポート > エンゲージメント > ページとスクリーン
- 見るべきポイント:
表示回数
:どのページがよく見られているか平均エンゲージメント時間
:どのページに長く滞在しているか
- アクションに繋げる分析例:
- 発見:「A商品の特集ページはよく読まれているのに、B商品のページは全然見られていない…」
- 仮説: サイト内でB商品への導線が弱いのでは?
- 次のアクション: 人気のA商品のページからB商品への内部リンクを貼ってみよう!トップページでもB商品を目立たせてみよう!
【③ 収益化】お客様は商品を買ってくれている?(ECサイト向け)
- 目的: ユーザーが商品をカートに入れてから購入するまでの、どこで離脱しているのか(カゴ落ちの原因)を特定する。
- 見るべきレポート:
レポート > 収益化 > eコマース購入状況
- 見るべきポイント:
- 商品の
表示
→カート追加
→購入
までの各段階のユーザー数。この数字の減り方が、改善のヒントになります。
- 商品の
- アクションに繋げる分析例:
- 発見:「カートにはたくさん追加されるのに、購入完了数が少ないな…」
- 仮説: 購入手続きのページに問題があるのでは?(送料が高い、決済方法が少ない、入力項目が多すぎるなど)
- 次のアクション: チェックアウトページを改善するプロジェクトを立ち上げよう!期間限定の送料無料キャンペーンを試そう!
まとめ:GA4は「答え」ではなく「ヒント」をくれる相棒
GA4は、ただ眺めていても「こうすれば売上が上がります」という答えを教えてはくれません。しかし、「この施策は効果があったかな?」「ユーザーはなぜここで離脱するんだろう?」といったあなたの「問い(仮説)」に対して、データという客観的な「ヒント」をくれる最高の相棒です。
まずは今回ご紹介した3つのレポートから、あなたのサイトのユーザー行動を覗いてみませんか?「この広告からのユーザーは、こんなページを見ているのか!」といった小さな発見が、大きなサイト改善の第一歩となるはずです。