
高い広告費をかけて、やっとの思いでユーザーをLP(ランディングページ)に集めたのに、ほとんどが購入や申し込みをせずに離脱してしまう…。広告のクリック率は悪くないのに、なぜかCVR(コンバージョン率)だけが低い。
多くのWebマーケターが抱えるこの深刻な悩み。その原因は、LPのデザインが悪いからでも、商品の魅力がないからでもなく、広告とLPの「連携」がうまくいっていないからかもしれません。
本記事では、広告からのCVRを劇的に改善するUI/UXの最重要原則『メッセージマッチ』について、具体的な改善策と共に徹底解説します。
マーケター向けにUI/UXについてを解説している記事もありますので、ぜひこちらもご覧ください。
1. UI/UXが与える影響:なぜユーザーはLPに来た瞬間に離脱するのか?

ユーザーは、広告のバナーやテキストを見て、「きっとこんな情報が載っているだろう」「こんなメリットがあるんだろう」と期待を抱いてLPを訪れます。
しかし、LPを開いた瞬間に、その期待が裏切られたらどうでしょう? 「あれ、なんか広告と雰囲気が違うな」「広告に書いてあった“50%OFF”ってどこにあるんだ?」
ユーザーは、自分がクリックした広告と違うページに来てしまったと感じた瞬間に、不安や不信感を抱き、わずか数秒でページを閉じてしまいます。
この広告で抱かせた「期待」と、LPでの「第一印象」のズレこそが、高い直帰率と低いCVRを生む最大の原因なのです。
2. UI/UX改善:CVRを向上させる「メッセージマッチ」3つの要素

この「期待とのズレ」をなくし、ユーザーをスムーズにコンバージョンへと導くのが「メッセージマッチ」の考え方です。特に、LPの第一印象を決める「ファーストビュー」(ページを開いてスクロールせずに見える範囲)で、以下の3つの要素を広告と一致させることが極めて重要です。
① キャッチコピーの一致
ユーザーは、広告で見た言葉がLPにもあることで、「自分の来た場所は間違っていない」と安心します。
- 悪い例 ❌️
- 広告の見出し: 「夏限定!うるおい美白化粧水」
- LPのキャッチコピー: 「最先端のスキンケア技術をあなたに」
→広告の「限定感」や「美白」という具体的な便益が消え、ユーザーは「求めていた情報と違う」と感じてしまいます。
- 良い例 ✅️
- 広告の見出し: 「夏限定!うるおい美白化粧水」
- LPのキャッチコピー: 「夏限定!うるおい美白化粧水」
→広告とLPの言葉が完全に一致しているため、ユーザーは安心して続きを読み進めてくれます。
② デザインの一致
人間は、文字よりも先にビジュアルで情報を判断します。広告とLPのデザインに一貫性を持たせることで、ユーザーは無意識のうちに「同じブランドのページだ」と認識し、信頼感を持ちます。
- 悪い例 ❌️
- 広告クリエイティブ: オレンジ色を基調とした、元気でポップな夏のキャンペーン画像。
- LPのデザイン: 青色を基調とした、知的でクールなコーポレートサイトのようなデザイン。
→視覚的な繋がりが全くなく、ユーザーは違うサイトに来てしまったと錯覚し、離脱する可能性が高まります。
- 良い例 ✅️
- 広告クリエイティブ: オレンジ色を基調とした、元気でポップな夏のキャンペーン画像。
- LPのデザイン: 同じオレンジ色のキーカラーを使い、広告と同じフォントやモデルの画像でデザインを統一。
→一貫した世界観がユーザーに安心感を与え、ブランドイメージも向上します。
③ オファー(提案)の一致
広告でユーザーにとって最も魅力的な「オファー(割引、特典、プレゼントなど)」を提示した場合、それがLPで最も目立っていなければ、ユーザーは騙されたと感じてしまいます。
- 悪い例 ❌️
- 広告の文言: 「今なら、初回購入50%OFF!」
- LPの表示: 50%OFFの情報が、ページ下部の小さな文字でしか書かれていない。
→最大のメリットが見つからず、ユーザーは探すのをやめて離脱します。これは最悪の体験です。
- 良い例 ✅️
- 広告の文言: 「今なら、初回購入50%OFF!」
- LPの表示: ページの最も目立つ場所に「初回購入50%OFF!」と大きく表示し、CTAボタンも「50%OFFで試してみる」といった文言にする。→ユーザーの期待にすぐに応えることで、コンバージョンへの道筋がスムーズになります。
3. UI/UX改善:メッセージマッチのチェックリスト

自社の広告とLPを見比べながら、以下の項目をチェックしてみてください。一つでも「いいえ」があれば、そこがCVR改善の大きなチャンスです。
- □ 広告の見出しと、LPの最も大きな見出し(キャッチコピー)は一致していますか?
- □ 広告で使っている画像やイラストは、LPのファーストビューにも表示されていますか?
- □ 広告とLPのキーカラーや全体的な雰囲気は、一貫していますか?
- □ 広告で訴求した割引や特典(例:送料無料、〇〇プレゼント)は、LPで最も目立つ場所に記載されていますか?
- □ 広告をクリックしたユーザーが「求めている情報」が、LPのファーストビューですぐに見つかりますか?
まとめ
広告とLPのメッセージマッチを徹底することは、新しいLPを何枚も作るより、遥かに費用対効果の高い施策です。ユーザーは正直です。期待通りの体験を提供すれば、コンバージョンという形で必ず応えてくれます。
まずはこの記事のチェックリストを手に、自社の広告とLPの関係性をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。